営業組織を進化させる!セールスイネーブルメント
2024年9月10日更新
営業活動のスタイルは時流によって変化してきました。特にリモートワークが普及してからは、営業担当者もマネジメント側も試行錯誤で体制を整えてきたことだと思います。
そこで注目されているのが、セールスイネーブルメントです。これは、セールス(sales)担当者の、能力を引き出す(enablement)ことを意味します。
この記事では、この手法に注目して営業組織を進化させるためのポイントを解説します。
セールスイネーブルメントとは?
2022年に発表されたSalesforceによるリサーチによると73%の営業担当者が、近年では営業現場でよりコンサルタント的な役割を求められていると回答しています。
変化する顧客のニーズに応えるために、営業組織も変化してきました。
ツールの導入や業務プロセスの改善などを通して、営業組織をより一層強くしていく取り組みが「セールスイネーブルメント」です。これには営業担当者の教育のほか、営業活動で使用するコンテンツ制作なども含まれ、次のような側面からアプローチされます。
コーチング - Coaching -
営業担当者のスキルを伸ばすことは、組織力の強化に直結するセールスイネーブルメントの大事な要素です。個々人の特性や思考の傾向に合わせて行われるため、自らが課題を解決し成長するきっかけとなります。
しかし、日本のマネージメント層はプレイングマネージャーである場合が多く、チームのコーチングに十分な時間を当てられていないのが現状です。
トレーニング - Training -
営業部や組織全体で目標を追う前に、しっかりと知識やマナーを習得する時間も大切です。顧客との信頼関係を築くのに役立つほか、営業担当者の自信にも繋がります。コンサルタント的な役割が求められるようになった営業の現場では、一方的に説明に徹していては顧客の心は動かせないのです。
コンテンツ - Content -
セールス視点でコンテンツを揃えておくことも忘れずに行いたいところです。顧客への説明や、ウェビナー用の資料はもちろん、よくある質問やハウツー記事の公開も重要なコンテンツとなります。
また、そのコンテンツに関する数値分析もコンテンツのひとつです。誰がどの程度の興味・関心を持っているかを把握する仕組みをつくっておきましょう。
テクノロジー - Technology -
SFA(Sales Force Automation)ツールの普及により、情報の集約・見える化が容易になりました。適切なタイミングで顧客にアプローチするためには、組織内でのシームレスな情報共有は必要不可欠です。
また、煩雑な作業を簡略化し、営業担当者が営業活動に集中できる環境を整える目的でも、SFAの導入はセールスイネーブルメントに役立ちます。
セールスイネーブルメントとインタラクティブ動画の関係
セールスイネーブルメントには、営業担当者のスキルを伸ばし、コンテンツやシステムでそれをサポートするサイクルが重要であることは既にお話しました。
実は、コーチング・トレーニング・コンテンツ・テクノロジーの全ての側面において、インタラクティブ動画が注目されていることはご存知でしょうか?
インタラクティブ動画とは、動画の中のボタンをタップしたり、クリックするといったアクションを起こすことのできる動画のことです。
Tremor Video DSPは、2017年に配信したプレスリリース で、インタラクティブ動画は従来の動画より32%記憶に残りやすいという調査を発表しています。また、動画を視聴する合計時間が47%増加したという結果も出ています。
では、セールスイネーブルメントの観点から、インタラクティブ動画がどのように役に立つかを見てみましょう。
①コーチング
適切なコーチングは、営業担当者のより効率的な業務につながります。
Seismicは、コーチングの結果として28%の営業担当者が生産性目標を達成することにつながるとの結果を発表しています。
すでに多くの企業がコーチングを実践しています。しかし、同じ空間にいてお互いに声をかけ合う状況とは違い、リモート下での時間の確保は難しいものです。
そこで、セールス・コーチングにおける重要な質問を、あらかじめ動画で用意しておくことをおすすめします!
インタラクティブ動画であれば、その場で回答を促すことができるため、より効果的です。質問は次のようなものが想定されます。
- <質問例>
- 顧客の言動から読み取れることはなに?
- 契約が締結された場合、一番影響を受けるのは誰?
- 意思決定に進むことができない問題はなに?
- 契約締結までに顧客が検討する事項はなに?
他にも、マネージメント側が営業担当者に考えてほしいポイントや、商談に臨む前の準備などを動画にしておくのもおすすめです。
さらに、回収した回答からは、その営業担当の思考のクセがわかることがあります。コーチングを重ねるごとに変化も見られるでしょう。そのようなデータを蓄積できるインタラクティブ動画には、大きなメリットがあります。
②トレーニング
トレーニングはコーチングよりも知識面を重視します。営業担当の提案力は、プロダクトやサービスを熟知してこそ発揮されます。また、顧客からも、課題解決の心強いパートナーとして認識されるでしょう。
インタラクティブ動画の活用方法はシンプルです。顧客から商談時によく聞かれる質問を中心に構成し、一問一答形式で知識を蓄積していきます。
③コンテンツ
営業資料は、顧客にプロダクトやサービスを知ってもらう第一歩です。しかし、最後まで読んで理解してもらうのは難しいものです。
営業担当者が動画内で資料を説明しながら、興味関心やニーズに合わせて、必要な情報を届けられるのがインタラクティブ動画の強みです。また、動画内で設定した質問に対しての回答や、どこまで視聴が完了したかもわかるため、関心の度合いを知ることもできます。他にも、オンラインセミナーを行う際は配信して終わりではなく、動画コンテンツとして蓄積しておくとよいでしょう。
④テクノロジー
商談の場で、顧客の本音を聞き出すには、コーチングやトレーニングを重ねながら、時間をかけてスキルを身につけていくしかありません。そこがインタラクティブ動画が本領発揮するポイントです。
動画内に表示された質問への回答のみならず、どこを繰り返し視聴したのかなど、収集・活用すべきデータがたくさんあります。顧客からのサインを見逃さないような業務フローで、営業組織を盛り上げましょう。
まとめ 今こそ営業組織が進化する時!
セールスイネーブルメントのPDCAサイクルを確率し、その過程で得られるデータの蓄積と分析を繰り返すことが大切です。しかし、私たちはめまぐるしい毎日を生きています。効率化するためのツールを正しく選びながら、組織を進化させてください。