そもそも「LOOV」とは？ 従来の営業手法と何が違うのか

LOOVは、一言でいえば「顧客一人ひとりに合わせて内容が自動で変化する、営業プレゼン動画」を、専門知識なしで誰でも簡単に作成・配信・分析できるSaaSツールです。
今までの営業手法、例えばPDF資料の送付や、一般的な動画の共有と何が決定的に違うのでしょうか。それは、大きく分けて「プレゼンの質」と「顧客の可視化」の2点にあります。

一方的な「資料」から、対話型の「プレゼン」へ

今までのPDF資料や、録画しただけの動画は、いわば「一方通行」の情報提供です。顧客がどの情報に興味があるかに関わらず、全員に同じ情報を渡すことしかできませんでした。そのため、顧客が「自分には関係ないな」と感じた瞬間に、資料は閉じられてしまいます。

一方、LOOVで作成する動画は「インタラクティブ（対話型）」です。動画の途中で「あなたの課題はAですか？Bですか？」といった質問を投げかけ、顧客が選んだ選択肢によって、その後のプレゼン内容が自動的に変化します。

これにより、顧客はまるで優秀な営業担当者と1対1で対話しているかのように、自分に最適な情報だけを受け取ることができます。この「自分ごと化」こそが、顧客の関心を引きつけ、サービスへの理解を飛躍的に深める鍵となります。

「送って終わり」から、「顧客の関心を可視化」する分析へ

資料を送付した後、「お客様、ご覧いただけましたか？」と電話やメールで確認するものの、実際どこまで読まれたか分からず、手応えのないフォローをしている方も多いと思います。

LOOVは、配信した動画の「視聴状況」を詳細に分析できます。「誰が」「いつ」「動画のどの部分を何秒間見たか」「どこで離脱したか」といったデータを、顧客ごとにリアルタイムで把握することが可能です。

これにより、例えば「A社の担当者は、料金プランのページを繰り返し見ているから、価格に強い関心があるな」「B社の担当者は、導入事例の部分で離脱したから、自社に近い事例を求めているかもしれない」といった仮説を、データに基づいて立てることができます。この「顧客の関心の可視化」が、営業担当者の経験や勘だけに頼らない、的確で効率的なフォローアップを実現します。

成果に直結するLOOVの3大活用シーン

LOOVがどのようなものか、ご理解いただけたでしょうか。ここからは、私たち自身がこの1年間、実際にLOOVを使い倒して特に高い成果を上げた、3つの具体的な活用シーンをご紹介します。

シーン1｜新規顧客との初回接触

最初の活用シーンは、新規の見込み顧客との「出会い」の場です。多くの企業がWebサイトや資料請求で顧客接点を持っていますが、活字や静止画だけでは、サービスの本当の魅力や、競合他社との違いを伝えきることは困難です。

そこで私たちは、資料請求をいただいたお客様へのサンクスメールや、Webサイト上の製品紹介ページに、LOOVで作成した「パーソナライズド・プレゼン動画」を組み込みました。動画の途中に複数の設問を表示して、顧客に直接「職種」や「課題感」を回答してもらう事で、顧客にあった最適なプレゼンのみが流れるようにできます。

その結果、画一的な資料をただ送付する場合に比べ、顧客の反応は劇的に変わりました。「これは自分向けの提案だ」と最初の数秒で感じていただくことができ、その後の商談に進む確率（商談化率）が大きく向上したのです。PDFでは伝わらないサービスの持つ「熱量」や「空気感」を、動画を通じて届けることが可能になりました。

シーン2｜商談中・商談後のフォロー

2つ目のシーンは、営業活動の「属人化」を解消するための、商談中および商談後のフォローアップです。営業担当者のスキルによって提案内容にバラつきが出てしまうのは、多くの営業組織が抱える根深い課題です。そこで、LOOVを活用して、最も成果を出しているトップセールスの営業ノウハウを「複製」することに取り組みました。

具体的には、商談で必ず伝えるべきサービスの中核的な価値や、お客様がよく誤解しがちな複雑な機能の説明を「標準プレゼン動画」としてLOOVで作成し、営業チーム全員で共有したのです。これにより、経験の浅い営業担当者でも、トップセールスと同じ質の高い情報を、分かりやすく顧客に提示できるようになりました。

さらに重要なのが、商談後のフォローです。商談後に画一的な御礼メールや資料束を送るのではなく、その日の商談で顧客が特に関心を持たれていたトピック（例えば、特定の機能の詳細、料金プラン、導入事例など）に合わせた動画をLOOVでパーソナライズして送付します。

顧客は、自分の疑問点にピンポイントで回答する動画を受け取ることで、サービスへの理解が深まります。私たち営業側は、その動画の視聴状況を分析することで、「顧客は導入事例の動画を最後まで見ている。次回は具体的な事例を軸に提案しよう」といった、データに基づいた次のアクションを設計できるようになりました。

シーン3｜既存顧客との関係構築（アップセル・クロスセルの創出）

3つ目のシーンは、すでにご契約いただいている既存顧客との関係性を強化し、より長くサービスをご利用いただくための活動です。SaaSビジネスでは、顧客に長くサービスを使い続けていただくこと（LTVの最大化）が非常に重要です。しかし、既存顧客へのフォローが手薄になったり、新機能や上位プランの案内が一方的な「お知らせ」メールになってしまったりするケースは珍しくありません。

私たちは、このカスタマーサクセス（CS）活動にもLOOVを導入しました。例えば、新機能のリリース時には、その機能を解説する動画を送るだけではなく、「お客様の現在の契約プラン」や「サービスの利用状況」に応じて、その新機能がお客様のビジネスにどのようなメリットをもたらすかを具体的に解説する動画を出し分けました。

これにより、顧客は「自分に役立つ情報だ」と能動的に情報を取得してくれるようになります。結果として、CS担当者の工数を大幅に削減しつつ、顧客満足度の向上や、新機能・上位プランへのアップセル（単価向上）やクロスセル（別サービスの追加契約）の機会を創出することに成功しています。

LOOVを1年間使い倒してわかった「3つの成功の本質」

これまで3つの具体的な活用シーンをご紹介してきましたが、これらはただLOOVというツールを使えば自動で成果が出る、というものではありません。最後に、私たちが1年間LOOVを徹底的に使い倒したからこそ分かった、成果を出すために最も重要といえる「3つの本質」をお伝えします。

1. 動画を作って終わりではなく「視聴分析からの改善」こそが鍵

LOOVの本当の価値は、きれいな動画を作ることではありません。配信した動画が「お客様にどのように見られたか」をデータで分析できる点にあります。

最初から完璧な動画を目指す必要はまったくありません。まずは作成した動画をお客様に配信し、その視聴データ（どこで離脱したか、どこを繰り返し見たか）を徹底的に分析することが重要です。データに基づき、「この説明は分かりにくいのかもしれない」「この事例は関心が高いようだ」と仮説を立て、動画の内容を高速で改善していくプロセスこそが、成果を最大化する鍵となります。

2. 「全員に同じ動画」ではなく「顧客に合わせた最適化」が成果を生む

LOOVの「顧客に合わせて内容が自動変化する」機能は、成果を左右する最も重要な機能です。「A社にはこの導入事例を見せよう」「B業界のお客様にはこの課題提起から入ろう」といったように、相手の顔を思い浮かべながらメッセージを最適化すること。この「ひと手間」が、顧客の心を動かし、その他大勢の営業メールとの圧倒的な差別化を生み出します。

3. 営業現場の「リアルな声」を反映し続ける

どれほど優れたツールも、導入するだけでは現場に定着しません。私たちは、営業担当者がお客様から日々いただく「こんな質問が多かった」「商談のこの部分を動画化してほしい」といった現場のリアルな声を吸い上げ、それをすぐにLOOVの動画コンテンツに反映するサイクルを回し続けました。

現場が「これは自分の営業活動を助けてくれる、使える武器だ」と実感できるコンテンツでなければ、活用は定着しません。ツールを提供する部門と、それを使う営業現場が一体となってコンテンツを育てていく姿勢が不可欠です。

まとめ｜LOOVは「営業のあり方」を変革する

この記事では、LOOVをまだご存じなかった方にもご理解いただけるよう、その基本的な価値から、私たちが実証してきた具体的な活用方法、そして成功のための本質までを詳しくご紹介しました。

LOOVは、単なる動画作成ツールではありません。営業活動の「属人化」と「非効率」という根深い課題を解決し、データに基づいて「顧客一人ひとり」に最適化された営業アプローチを可能にする、皆様の営業DXパートナーです。

Webサイトの強化、商談後のフォロー、既存顧客へのご案内。まずは皆様の営業プロセスの一部分からでも、LOOVの活用を始めてみてはいかがでしょうか。そして、「作って終わり」ではなく、お客様の視聴データという「声」に耳を傾け、改善を続けてみてください。

その小さな一歩が、皆様の営業活動全体を大きく変革するきっかけになると、私たちは確信しています。

よくある質問と回答

Q. 動画を制作した経験がありません。専門知識やスキルは必要ですか？

専門知識や高価な機材は一切不要です。 LOOVは、営業担当者やマーケティング担当者ご自身が、直感的に操作できることを目指して設計されています。使い慣れたプレゼン資料をアップロードし、ガイドに沿って説明を録音（またはAI音声で自動生成）するだけで、基本的なプレゼン動画は完成します。

動画の分岐設定や分析画面も、専門知識を必要とせず、分かりやすいインターフェースになっています。「動画を作る」というよりは、「営業資料を動的に、対話型にする」という感覚に近いかもしれません。