導入事例:nattoku住宅株式会社様

来店予約は約2倍、成約率も
10ポイント超の向上。紙カタログから
双方向コミュニケーションへ

nattoku住宅株式会社
  • 会社名nattoku住宅株式会社
  • 事業内容注文住宅の設計・施工、リフォーム・リノベーション事業など
  • 従業員数90~141名(グループ全体)
  • URLhttps://www.nattoku.jp/
課題
  • 紙のカタログでは、ユーザーがどの情報に関心を持ったか可視化できなかった
  • 商品仕様の変更ごとに印刷コストが発生し、SDGsの観点からも課題があった
選定理由
  • 選択肢を通じて、ユーザーが何に関心を持っているかが可視化できる
  • 既存コンテンツとAIナレーションの活用によって効率的に動画を制作できる
効果
  • 来店予約数が約2倍に増加し、成約率も55%~60%から70%前後へ上昇
  • 動画により説明内容を統一し、初回商談が質問から始めるなど接客の質と再現性が向上

静岡県を拠点に注文住宅の設計・施工を手がけるnattoku住宅株式会社では、子育て世代に向けたセミオーダー型住宅ブランド「キママプラス」を展開しています。顧客に安心と納得の家づくりを提供する一方で、従来の紙カタログによる資料提供では、お客さまの関心を正確に把握できず、マーケティング施策としての課題を感じていました。

こうした背景から導入されたのが、シナリオ設計に基づいた営業支援ツール「Video Agent」です。

今回は、nattoku住宅株式会社のメディアマーケティング課でマーケティング業務を担う望月 道隆様に、「Video Agent」導入の背景や活用ケース、そして「Video Agent」導入によって得られた成果についてお話を伺いました。

機能と価格を最適化。静岡県の子育て世代に寄り添う、セミオーダー型の新しい住宅モデル

nattoku住宅株式会社様導入事例

nattoku住宅社が手掛ける住宅ブランド「キママプラス」について教えてください。

望月 道隆様(以下、敬称略):私たちnattoku住宅は、静岡県を中心に注文住宅の設計、施工を手掛ける住宅会社です。弊社ではさまざまな住宅ブランドを展開しているのですが、その中でも子育て世代向けに設計されたセミオーダー型の規格住宅ブランドが「キママプラス」です。私たちがこれまでに手がけてきた3,000棟以上の住宅データから、特に評価が高かった間取りを厳選した100通りのコンセプトプランから選べ、坪単価固定・自由設計でコストパフォーマンスが高いことが特徴です。

住宅づくりは専門用語が多く、金額も大きいことから、お客さまは不安を感じやすいと思います。そこで住宅づくりをもっと気軽に、分かりやすくというコンセプトで「キママプラス」を展開しています。

望月様の業務について教えてください。

望月:現在はマーケティング業務を主軸としつつ、経営企画室にも所属しています。新しい商品を企画したり、事業計画を立てたりと、社内でも横断的に動いている立場です。実際に今回のようなWeb施策や「Video Agent」の導入なども、実務としては私がひとりで担当しています。

紙のカタログに感じた小さな違和感。お客さまが本当に求める情報を届けるために

住宅業界におけるマーケティングは、どのような傾向があるのでしょうか。

望月:業界全体で見ると、IT化はまだまだ遅れていると思います。理由のひとつは、住宅が高額な商材であるため、インターネットで情報を収集して即決、という購入プロセスが成り立ちにくいからです。また、営業成果がインセンティブに直結しているため、営業スタイルがいまだに属人的かつ対面を重視する文化が根強いように感じます。

「キママプラス」のマーケティング戦略についてお聞かせください。

望月:「キママプラス」の主なお客さま層として、静岡県内在住で20〜30代の子育て世帯、かつ一次取得層(初めて住宅を購入するお客さま層)を想定しています。ローコスト住宅ではなく、デザイン性やライフスタイルを重視されているお客さまを想定しており、その分マーケティング施策にも洗練されたアプローチが求められます。現在のマーケティング施策では、テレビCMやラジオ、SNS、リスティングなど幅広いチャネルを活用しており、最終的なKPIとしてはモデルハウスの来訪や資料請求からの商談化などの指標を置いています。

「キママプラス」のマーケティングには、どのような課題があったのでしょうか。

望月:従来は資料請求いただいたお客さまに紙のカタログをお送りしていました。ふとある時、競合調査の一環として他社のカタログをいくつか取り寄せて見比べたところ、書いてある内容やデザインは立派でも「どこか心に刺さらない」と感じたのです。それは私たちのカタログも例外ではありません。「nattoku住宅株式会社」の信用をお客さまに伝えるため、カタログの冒頭から企業の沿革や代表挨拶を掲載していましたが、「果たして本当にお客さまが求めている情報なのだろうか」とずっと疑問に思っていました。

そんな時に出会ったのが「Video Agent」のとある広告メッセージです。そのメッセージは「カタログを受け取ったお客さまの80〜90%は、その内容を理解していません」という内容で、まさに私たちの課題を言い当てられたような感覚でした。

その他には、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

望月:紙のカタログの製作にかかるコストが課題のひとつでした。商品仕様に変更があるたび、カタログを作り変えねばならず、そのためのコストは小さくありません。また、お客さまにとって商品に興味がなくなってしまったらカタログは捨てにくいゴミになってしまいます。大きなカタログがゴミになってしまうのは、SDGsやペーパーレスの考え方にも逆行しています。

そして私たちマーケティング視点では、紙のカタログだとお客さまはどのページに興味があるのか、どのような閲覧行動をしているのか、可視化できないことも課題に感じていたのです。

インタラクティブ動画がつなぐ、お客さまとの新しい接点。ポイントは双方向の情報提供

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「インタラクティブ動画」と「Video Agent」について、どのようなきっかけからお知りになりましたか。

望月:きっかけは「Video Agent」のSNS広告だったと記憶しています。そこで「インタラクティブ動画」という単語を知ったのですが、自分で調べてみても「YouTubeの動画視聴後に表示される関連動画みたいなもの」といった曖昧な情報しか出てこなくて、いまいちピンとこなかったのです。そこでまずは実際に「Video Agent」のお話を聞いてみたいと思いました。

「Video Agent」の提案を受けてみて、どのような印象を持たれましたか。

望月:率直に「これはすごい」と感じました。双方向で進む仕組みがまさにチャットボットと動画が融合したような体験で、住宅カタログの「わかりにくさ」「とっつきにくさ」を一気に乗り越えられるんじゃないかと思ったのです。

住宅を検討されるお客さまにとって、間取りやデザインはもちろん大事なのですが、実際には「毎月のローン返済がいくらになるのか」といったより現実的な、金銭面の不安は無視できません。そうした心理的なハードルをインタラクティブ動画による導入で自然とほぐしていける点に可能性を感じました。

また、対面営業や紙のカタログをお配りするだけでは見えなかったお客さまの傾向を可視化でき、マーケティング施策を改善もしやすい点が大きな魅力です。お客さまにとって本当に価値ある情報を、適切なタイミングで届ける手段のひとつとして「Video Agent」の導入を決定しました。

従来のマーケティング手法と比較し、「インタラクティブ動画」の利点についてどのように感じられましたか?

望月:従来であれば、資料請求があった後にメールを何通も送り、段階的に情報提供をしていく、いわゆるステップメールを運用していました。基本的には一方通行のアプローチであり、よりリアルなお客さまのリアクションは見えにくいという欠点があります。

その点、インタラクティブ動画であれば、ユーザーの選択や関心に応じて分岐しながら情報を届けられるため、お客さまが何に興味を持っているかが可視化することができ、より本質的なコミュニケーションを実現できるのではと感じました。

AIナレーションと既存の資料をフル活用し、コンテンツの製作ハードルを下げることに成功

「Video Agent」の導入は、どのように進められたのでしょうか。

望月:マーケティング業務で別の作業に追われていた関係で、なかなかインタラクティブ動画の製作を進められず……。そこでLOOV社の担当の方から丁寧にサポートいただき、お客さまへの説明資料として整えていた既存コンテンツをベースにすることで、一本目の動画をまとめました。

動画のナレーションは、もともと社内スタッフの声を収録して使用する予定だったのですが、ちょうど録音日の直前に声が枯れてしまい……。そこで急遽、AIナレーションに切り替えたのです。想像していたよりも違和感がなく、「これで十分いけるな」と感じました。素人が何度もリテイクを重ねるよりも、必要なときに必要なナレーションを即座に用意できるAIナレーションのほうが柔軟性で勝ります。今後もAIナレーションをうまく活用し、リアルな映像との掛け合わせで、より親近感を持ってもらえるインタラクティブ動画にしていきたいと考えています。

インタラクティブ動画はどのような導線でお客さまに視聴いただいているのでしょうか。

望月:まず「キママプラス」のWebサイト内にポップアップバナーとして掲載しています。Webサイトへの実装は、nattoku住宅で家を建ててくださったこともあるデザイナーさんとエンジニアさんにお任せしています。そのため、私たちの住宅づくりに対する思想や雰囲気をよく理解いただいたうえで、インタラクティブ動画を実装いただいており、私たちマーケティング部門のKPIである資料請求への導線(資料請求のCTA)を邪魔しないような動画配置となりました。

また、お客さまの初回来店時に、お飲み物をご用意するまでの時間を利用して「Video Agent」のインタラクティブ動画を私たちのPCからご視聴いただいています。スキマの時間をうまく活用しながらお客さまの「キママプラス」に対する理解度を高めることができ、おかげで営業スタッフがイチから「キママプラス」を説明する必要がなくなりました。

むしろ「こうしたデザインの家には、こういう特徴がありますよね?」といったように、お客さまの方から積極的な質問が出てくるようになり、商談の入口がまったく変わっています。営業スタッフからも「説明ではなく、対話から始まるようになった」という声が出ており、成約率にも明確な変化が表れています。

お客さまの行動が、資料請求から来店予約へ。成約率も向上し、質の高い商談を実現

「Video Agent」の導入によって、どのような成果が得られましたか。

望月:資料請求数そのものは減ったのですが、その代わりに来店予約数が以前の2倍近くまで増えました。Webサイト上には、資料請求・来店予約・オンライン相談の3つのCTAを設けているのですが、インタラクティブ動画を掲載したことで「お客さまが『資料を取り寄せたい』よりも『実際に話を聞きに行きたい』と感じていただけるようになったのでは」と分析しています。

その後の成約率にも、少なからず影響はあると考えています。もともと弊社は住宅業界の平均よりも高く、55〜60%ほどの成約率でした。そこからさらに改善しており、最近では70%前後まで上昇しています。もちろん、成約率は営業担当の貢献が大きく影響しますが、住宅という高額商材において成約率が5%以上も改善することは非常に珍しく、「Video Agent」によるインタラクティブ動画施策が一定の役割を果たしているのは間違いないと思います。

以前の営業スタイルと比較したときの変化について教えてください。

望月:弊社の営業は、一般的な住宅営業とは少しスタンスが違っており、いきなり家の話をするのではなく、ご夫婦がどう出会ったのか、どんな生活をしてきたのかといった背景から丁寧に聞いていきます。「なぜ家が欲しいのか」という本音の部分を引き出せないと、どれだけ良い提案をしても響かないですし、そこでお客さまに信用していただかなければ、全てがずれてしまうのです。

そのため、弊社の営業担当はお客さまの心理的ハードルを下げることを重視してきたのですが、インタラクティブ動画を商談の直前に視聴していただくことによって、本音を引き出す準備をより整えやすくなったと思います。

インタラクティブ動画に対するイメージはどのように変化しましたか。

望月:インタラクティブ動画に期待した役割として、「キママプラス」をお客さまにご説明できればよいと考えていました。しかし実際にご案内してみると、私たちが伝えたいことを正確かつ再現性高く届けられているという実感が得られました。一般的に住宅業界におけるサービスの説明では、Webやカタログなどの内容と、現場でお話しする内容が食い違ってしまわないように配慮する必要があります。

しかし動画であれば、Webと店頭でまったく同じ説明ができますし、カタログのように商品仕様に変更があるたびに作り変える必要はありません。これはお客さまにとっても安心感につながりますし、会社としても誠実な顧客体験を提供できている実感があります。最終的に「この家でいい」ではなく、「この家がいい」と思って選んでいただくために、「Video Agent」が重要な支援ツールになっていると感じています。

成功事例を横展開し、住宅業界に貢献したい。デジタル時代の新しい商談スタイルとは

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今後の展望をお聞かせください。

望月:遠くない未来に住宅がインターネット上で売れる時代が来るのではないかと、個人的に考えています。そうした未来では、たとえば土地の調査など現地でしかできない工程は人が担当しつつ、お客さまの要望をお伺いすることや、住宅のご提案をすべてオンライン上で完結できるサービスも出てくるでしょう。そうした観点から考えると、インタラクティブ動画のように選択肢を提示しながら自然とサービス理解や意思決定を促す仕組みは、私が想像する未来の住宅産業と相性が良いのではないかと感じています。

また、弊社のグループ会社ではボランタリーチェーンの運営も行っており、今回の「キママプラス」での成功事例を、他の工務店様にも横展開していければと考えています。全国には志を持ったビルダーさんがたくさんいらっしゃいますが、集客や商談のあり方に課題を感じている方も多いのです。私たちが得たノウハウや仕組みを共有することで、住宅業界全体の健全化にも貢献していけたらと思います。

最後に読者へのメッセージやアドバイスをいただけますか。

望月:インタラクティブ動画は、動画を視聴しながら選択肢を選ぶというシンプルな仕組みなのですが、その選ばせ方にこそ、本質的な価値があると思います。お客さまは何を知りたくて、どこに関心を持っているかを自然と引き出し、より丁寧に寄り添うご提案が可能になるという点で、さまざまな業界にも通じる手法だと感じています。

また、導入によって社内の対応品質も標準化されるので、どのスタッフが対応しても顧客体験がブレない再現性の高さも大きな利点です。私自身が「Video Agent」をおすすめするとしたら「選択肢の設計」と「再現性の担保」、この2点が最大の推しポイントですね。

企業情報

nattoku住宅株式会社

所在地
静岡県富士市青葉町572
代表者
代表取締役社長 久保 淳
設立
1999年11月9日
URL
https://www.nattoku.jp/
事業内容
注文住宅の設計・施工、リフォーム・リノベーション事業など
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