導入事例:株式会社フィールドサーブジャパン様
応募から面接までの移行率が
50%→57%に改善。Video Agentが
担う“新しい採用担当”の役割とは


- 会社名株式会社フィールドサーブジャパン
- 事業内容一般労働者派遣事業 他
- 従業員数35名
- URLhttps://www.field-serve.jp/
- 電話不通やメール未返信による求職者さまの離脱が発生し、面接への移行率が下がっていた
- 人材コーディネーターの工数が増加し、コア業務に集中できていなかった
- 電話によるコミュニケーションに抵抗感を持つ求職者さまが増えていた
- 企業説明や適正の判断、面接の予約までをワンストップで完結できる仕組みだった
- 明確なROIを算出し、費用対効果を定量的に予測できた
- 担当者による導入企業に寄り添った提案と、自走してインタラクティブ動画を編集できる点
- 応募から面接への移行率が5〜7pt改善し、業務コスト・時間を約3割削減できた
- 応募者が事前に動画で理解を深め、面接内容をよりコアな内容に費やせるように
- 求職者さまからは「自走できる体験」に対して高い評価が上がった
アパレルや家電、コスメといった小売・接客業界を中心に、販売員・接客スタッフの派遣事業を展開している株式会社フィールドサーブジャパン。対面接客に特化した人材の派遣を強みとし、グローバル人材の派遣や人材育成にも注力しています。
人材派遣の需要が高まる一方、求職者さまからの応募増加に伴い、人材コーディネーターによる電話対応に大きな工数がかかり、面接までの移行率が低下していました。そこで同社では「Video Agent」によるインタラクティブ動画の導入で、応募から面接予約までを自動化し、求職者が自走できる新たな応募体験を構築しました。
今回は同社執行役員の田辺 佑介様と、営業サポートでリーダーを務める岩村 広一朗様に、導入の経緯や運用の工夫、得られた成果、そして人材派遣業の未来を見据えた展望について伺いました。
応募した求職者さまに一人ひとり電話し、面接へ案内。
目的は採用のミスマッチを防ぐため
貴社の事業内容について教えてください。
田辺 佑介様(以下、敬称略):当社は、2005年に設立された人材サービス企業です。アパレルや家電、コスメといった対面接客を伴う小売業のクライアントさまに、接客・販売員を派遣しています。近年は、英語や中国語といった多言語案件にも注力しており、2024年には特定技能制度の登録支援機関として登録されるなど、グローバル人材の活躍を支える体制を整えています。
また、新型コロナウイルスの感染拡大以降、未経験採用の案件が増えたことを受け、当社ではビジネスマナーや対人コミュニケーションなどの基礎的な接客研修を行っていることも特徴です。
お二人の業務内容とミッションについて教えてください。
田辺:私は主にクライアントさま対応と、派遣後のスタッフフォローを担当する営業部の統括としてマネジメント業務全般を担っています。また営業部の実務だけでなく、求人広告などの集客領域や、集客フロー上の課題解決にも取り組んでいます。
岩村 広一朗様(以下、敬称略):営業サポートは「営業の成果を上げるためにできることは何でもする」チームです。今回の取り組みでは、一般的な情報システム部門のような立ち位置で、LOOV社の「Video Agent」の導入や運用を進めました。実際に「Video Agent」を活用しているのは社内の人材コーディネーターで、求職者さまの応募対応から面接までを担っています。
「Video Agent」導入以前は、応募対応から面接までどのような業務フローで対応していたのでしょうか。
田辺:主に求人広告から流入してくる1日100件前後の応募に対して、4チームの人材コーディネーターが朝から電話をかけて求人条件を5分程度で確認し、1時間弱のオンライン面接にご案内していました。電話がつながらなければメールし、後日また電話をかけるというフローです。
一件ずつ電話をかけていたのは、求職者さまと求人条件のミスマッチを防ぐためでした。せっかく求職者さまに面接まで進んでいただいても、求められる条件を満たしていないことがわかればお断りしなければならず、求職者さまと人材コーディネーター双方の時間が無駄になってしまいます。限られた面接の時間の中で、改めて求職者の希望条件や勤務意向を確認していると、それだけで15分ほどかかってしまいます。そのため、面接前に必要な情報をお伝えし、求職者さまが自身に合う案件かを判断いただくために電話をかけていました。
課題は応募から面接までの移行率と業務コスト。
業務の質を上げるために求められた新しい仕組み
応募対応から面接までの業務フローに、インタラクティブ動画の導入を検討された目的をお聞かせください。
田辺:接客・販売員への応募は、主に30〜40代の女性が中心です。男性は20代から60代後半まで幅広く、女性では50代前半までがボリュームゾーンになります。全体的に小売や接客業界での勤務経験をお持ちの方が多く、動画による情報接触にも慣れている層です。そのため、動画型のコミュニケーションに対する親和性が高い一方で、電話によるコミュニケーションに抵抗感を持つ求職者さまが増えていると感じています。
求職者さまの立場からすると、スムーズに面接の予約まで進めたほうが心理的なハードルは低くなります。そのため、インタラクティブ動画を導入し、応募から求人条件のフィルタリング、面接応募までをオンライン上で完結できる流れをつくることは、応募数や面接移行率を高める意味で有効だと考えました。
応募対応から面接までの業務フローで抱えていた課題をお聞かせください。
田辺:応募から面接に至るまでの移行率と、それに伴う業務コストが非常に大きな負担になっていたことです。応募件数自体は多いものの、人材コーディネーターの電話が繋がらず、面接に至らないまま離脱してしまうケースが多かったのです。
電話が繋がらない場合、時間をあけて再度かけることになるのですが、そのために人材コーディネーターが多くの時間と手間を費やしていました。人材コーディネーターは本来、面接やマッチングなどのコア業務に集中している状態が理想なのですが、電話やメールでのやり取りを繰り返すうちに疲弊してしまいます。面接前の求職者さま対応を効率化しつつ、人材コーディネーターの業務の質を上げる狙いから、新しい仕組みの導入を模索しはじめました。
インタラクティブ動画で、人が介在しない業務フローを。
ROIを計算し、PoCで有用性を検証
課題解決にあたって、どのような仕組みを検討されたのでしょうか。
田辺:採用難もあり、人材コーディネーターの人数を増やすのは簡単ではありません。そこでシステムの力で改善できないかと考え、さまざまなサービスを検討していた折にアプローチいただいたのが、LOOV社の「Video Agent」でした。実際のご提案では、サービスの押し売りではなく課題解決の提案で、他社のサービスにはないご提案をいただきました。
具体的には「Video Agent」のインタラクティブ動画内で会社を紹介し、応募された求人の理解度や希望条件をアンケートで確認し、そのまま面接予約まで一気通貫で完結されるという仕組みです。複数ツールを組み合わせる必要がないため、仕組みの維持で工数が増える懸念がないこと、LOOV社の担当者にもご協力いただいて、明確なROIの予測を示せたことが高評価でした。
具体的にどのようなROIの予測を立てられたのでしょうか。また、その他に期待した成果をお聞かせください。
田辺:月間応募は平均で約3,000名、当時の面接移行率は50%前後で、電話不通やメール未返信、予約後の未入室がロスの主因でした。この面接移行率を5pt改善するだけで、月間150件の面接増加につながる計算です。
さらに稼働・就業開始までの歩留まりを勘案しても月3~5名の就業増が見込め、「Video Agent」のランニングコストと利益率を相殺しても十分にペイする、という予測です。加えて、深夜の時間帯や土・日・祝日は、人材コーディネーターが稼働していないため、「Video Agent」によって24時間365日カバーできる点も高ポイントでした。“24時間365日稼働するもう一人のコーディネーター”として「Video Agent」が機能しているイメージであり、現場のモチベーションや生産性の向上という目に見えにくい効果も期待できたのです。
「Video Agent」の試験導入は、どのように進めましたか。
岩村:トライアルでは実際に「Video Agent」を操作し、インタラクティブ動画の編集からURL発行、配信まで自己完結できるかを確認しました。あわせて求職者さま目線で分かりやすい動画であるか確認し、面接予約まで迷いなく到達できるかも重要なポイントでした。結果としてすべての懸念点がクリアとなり、正式な導入を決定しています。
最適な分岐とUIの設計で求職者さまの離脱を抑える。
求職者さま目線を意識したポイントとは
インタラクティブ動画の設問や動画構成では、どのようなポイントを工夫しましたか。
岩村:動画内の設問では、クライアントさまの求人条件と求職者さまの希望の整合性を確認します。たとえば、週5勤務が必須の求人案件に対して、「土日のみの出勤可」の求職者さまが応募しているといった不一致を検出したり、業界経験やスキルの不一致があるかどうかを確認したりと、電話からインタラクティブ動画に移行してからも問題なく求職者さまの適正を判断できるよう工夫しています。また、外国籍の求職者さまに対しては、在留資格の確認項目も入れていますね。
その他にも、求人媒体側のATS(応募追跡システム)を確認して自発的に求人条件を確認しているかチェックしたり、離脱率を抑えるため設問による分岐は最小限にとどめたり、スマートフォンからの視聴に合わせて親指で迷わず進めるUIを重視したりと、求職者さま目線も忘れずにインタラクティブ動画を設計しています。
インタラクティブ動画視聴後の面接を意識した動画の工夫はありますか。
岩村:以前は電話口で説明していたような当社紹介を動画内に盛り込んでいます。主に会社の紹介や福利厚生についてまとめた20分の「しおり動画」を必ず視聴してもらうことで、実際の面接では当社紹介をスキップし、よりコアな条件や業界経験、スキルの有無、性格などを含めた適正を判断するための時間を確保しています。
弊社からの「Video Agent」導入・運用サポートはいかがでしたか。
岩村:担当の方には手厚くサポートいただきました。インタラクティブ動画内の原稿や分岐のストーリーをスプレッドシートで提案いただき、こちらはそれをベースに構築・調整するだけで進めることができています。
また、動画内の読み上げにはAIボイスを採用しています。当初は当社の女性社員を起用しようかとも考えたのですが、その社員が退職してしまうと素材が使えなくなったり、新しい声を収録できなくなるリスクがあったりといった点が懸念点でした。当初はAIボイスは不自然かとも思ったのですが、想定していた以上に違和感はなく、求職者さま側の受容性も数値上問題がないと考えています。
面接移行率が7%に改善し、業務時間は3割削減。
人材コーディネーターがコア業務に取り組めるように
「Video Agent」の導入で、どのような成果が得られていますか。
田辺:定量面では想定以上の成果が得られており、導入から1年を待たずに応募から面接への移行率が5ポイント改善し、現在ではおよそ7ポイントまで引き上がっています。同時に、応募された求職者さまを面接へご案内するまでの業務コストや時間も、3割近く短縮されて人材コーディネーターの生産性の底上げが進みました。実際に電話でのご案内は、どうしても連絡ができない求職者さまへの最終フォローとしてのみ残っており、毎月数件のみです。
人材コーディネーターの面接効率も改善しており、面接1件あたり多く見積もっても約15分短縮できています。1日8件が上限だった面接枠を10件まで引き上げられる日が生まれ、年間ベースでは相当量の積み増し効果につながっており、余裕が生まれた分の業務時間は、求職者さまのプロフィールシートの確認整備や、面接の準備、ドキュメント作成業務に振り向けられています。
岩村:営業担当者がクライアントさまへご提案できる求職者さまの母集団が目に見えて増えている印象です。「インタラクティブ動画を視聴し、設問に回答し、面接予約まで自力で行う」という一連の行動は求職者さまが能動的であることの表れであり、受け身な電話応対とは質的に異なることが、結果としてご提案可能な人数や面接の密度に反映されているのだろうと考えています。
「Video Agent」の導入で、人材コーディネーターの業務にはどのような変化がありましたか。
岩村:業務上の大きな変化は、人材コーディネーターがコア業務に集中できるようになったことですね。ルーティン業務の削減に伴い、求職者さまへのフォローアップや教育、研修、ナレッジ共有などに時間を再配分できており、結果として求職者さまの意識変容や離職率の抑制、そしてクライアントさまの満足度向上にもつながっている手応えがあります。
田辺:面接の内容にも変化がありました。面接の準備段階で当社への理解と求人条件の共有が済んでいるため、以前は15〜20分ほどかけていた冒頭説明がまるまる不要になり、面接スタートからスキル・経験などのコアな話題に踏み込めるようになりました。
特に大きいのはネガティブチェックです。たとえば職歴にブランクがある理由や前職の退職理由といったセンシティブな話題でも、面接スタート時点で一定の関係値ができていることで率直に語っていただける場づくりが可能になっています。もちろん、ポジティブな話題の深掘りも丁寧に行えるようになっているようです。
求職者さまからの反応についてはいかがでしょうか。
岩村:直接耳にしたのではなく、当社のGoogle Mapへの口コミに「システム化されていてスムーズ」という声が2〜3件寄せられていました。今の時代、担当者が前面に出る“人の手厚さ”よりも、求職者が自走できる“分かりやすさと速さ”が高評価を得られている実感があります。
人材派遣は専門性の時代へ。
人材の育成を含め、企業を支援する総合的なHRパートナーを目指す
人材派遣の事業全体を俯瞰して、今後の展望をどのように見据えていますか。
田辺:将来的なAIや新技術の台頭によって、単純な接客業務は減少し、より専門性の高い領域だけが残っていくと考えています。そのために私たち派遣会社も、より専門性の高い人材を教育・育成していく仕組みを整備していく必要に迫られるでしょう。単に人材を派遣するだけでなく、企業さまの採用や人材教育を包括的に支援できる“総合的なHRパートナー”の役割を果たせるよう、取り組んでいきたいと思います。
今後「Video Agent」をどのように活用していく予定でしょうか。
田辺:現場の人材コーディネーターの業務は大きく改善できましたが、営業面での活用がまだまだ十分ではありません。具体的には新規営業やWebサイトとの連携など、当初LOOV社の担当の方からご提案いただいたクライアントさま向けの営業の領域を強化したいと考えています。たとえば契約書や禁止行為の説明といったルーティンを動画化すれば、営業一人あたりの業務効率化と売上の向上が見込めます。
最後に読者へのメッセージやアドバイスをいただけますか。
田辺:「Video Agent」は当社にとって24時間365日稼働する人材コーディネーターの一員であり、応募者を面接へと導く最初のタッチポイントを担う“第一窓口”として機能しています。PoCでも「本当に電話業務を動画に代替できるのだろうか」と念入りに検証しましたが、現在実感している成果が、その答えになっていると感じます。
「Video Agent」は派遣業界と親和性が高いと思います。特に当社のように対面コミュニケーションを重視してきた企業にとって、求職者さまとの最初の接点を高品質なオンラインに移行できることは、大きな価値があるのではないでしょうか。
企業情報
株式会社フィールドサーブジャパン
- 所在地
- 東京都港区芝浦3丁目9番1号 芝浦ルネサイトタワー9F
- 代表者
- 代表取締役 渡辺 貢
- 設立
- 2005年2月8日
- 事業内容
- 一般労働者派遣事業、職業紹介事業、アウトソーシング事業/業務受託、社員研修・教育事業
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