【2025】採用コンサルティング会社10選を紹介!RPOとの違いから費用・選び方までを徹底解説

2025年9月10日更新

【2025】採用コンサルティング会社10選を紹介!RPOとの違いから費用・選び方までを徹底解説

「求人媒体の効果が薄れてきた」「候補者の質と量に、以前とは違う難しさを感じる」「日々の採用業務に追われ、根本的な戦略見直しまで手が回らない」...。

企業の成長を左右する採用活動において、こうした課題感をお持ちの担当者様は多いのではないでしょうか。解決策の一つとして「採用コンサルティング」や「採用代行(RPO)」が選択肢に挙がるものの、両者の違いや自社に本当に合うサービスがどれなのか、情報収集の段階で迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

本記事では、単に各サービスの内容を解説するだけではありません。あなたの会社の状況や課題に合わせて、「コンサルティング」「RPO」「その他(内製強化など)」のうち、今どの選択肢を検討すべきかを見極めるための「判断の軸」を提供することを最大の目的としています。

読み終える頃には、外部の力を借りるべきか、借りるとしたらどのような形が最適なのか、その具体的な一歩が明確になっているはずです。貴社の採用活動を成功に導くための羅針盤として、ぜひご活用ください。

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この記事の内容
  1. 採用コンサルティングとは?
  2. 採用コンサルティングのサービス
  3. 採用コンサルティングの費用相場
  4. 採用コンサルティングを利用する5つのメリット
  5. 採用コンサルティングを利用する3つのデメリット
  6. 採用コンサルティング導入で解決できる課題
  7. 採用コンサルティングの選び方ガイド
  8. おすすめの採用コンサルティング会社10選
  9. まとめ
  10. 採用コンサルティングの利用に関するFAQ

採用コンサルティングとは?

採用コンサルティングとは、採用活動の設計と改善を支援する専門サービスです。企業の採用活動における課題を特定し、その解決に向けた戦略立案から実行支援、仕組み化までを専門的な知見からサポートする外部パートナーです。

役割と位置づけ

採用コンサルティングは、採用目標の達成はもちろん、そのプロセスを通じて企業内にノウハウを蓄積し、中長期的な採用力の向上を目指す活動です。採用担当者と協働し、現状分析、課題の特定、戦略策定、施策の実行と改善サイクルを回していきます。

あくまで主体は企業自身であり、コンサルタントはその活動を加速・最適化させる触媒の役割を担います。単に人手を補うのではなく、採用活動全体の「設計図」を描き、その成功確率を高めるための「戦略家」や「伴走者」と位置づけられます。

コンサルタントの対応範囲

コンサルタントの役割は多岐にわたりますが、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 現状分析と課題特定:
    競合や市場の分析、既存の採用プロセスの診断を行います。
  • 戦略・計画の策定:
    求める人物像の再定義、採用チャネルの選定、選考プロセスの設計など、採用活動全体の計画を立てます。
  • 実行支援と伴走:
    定例ミーティングでの進捗確認、課題へのアドバイス、面接官トレーニングなどを通じて、計画の実行をサポートします。
  • 仕組み化とノウハウ移管:
    採用データを分析・可視化するレポーティング体制の構築や、マニュアル作成などを通じて、社内に知見を定着させます。

採用代行(RPO)との違い

採用コンサルティングとよく比較されるサービスに、採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)があります。これは、採用活動における実務プロセスの一部または全部を外部に委託するサービスです。両者の最も大きな違いは、コンサルティングが「戦略・仕組みづくり」に主眼を置くのに対し、RPOは「実務の代行」を主な目的とする点にあります。

採用コンサルティングと採用代行の役割比較

比較観点 採用コンサルティング 採用代行(RPO)
戦略 ◎:中心的な役割。
現状分析から戦略を策定し、全体の方向性を定める。
△:限定的。
基本的にはクライアントの戦略に基づき、実行計画を立てる。
実行 ○:伴走・支援。
実務は企業主体だが、助言や壁打ち相手として深く関与。
◎:中心的な役割。
スカウト送信、日程調整、候補者対応などの実務を代行。
改善 ◎:仕組みの改善。
データ分析に基づき、プロセス全体のボトルネックを解消。
○:オペレーションの改善。
実務効率を高めるための業務改善が中心。
移管 ◎:重視。
最終的に企業が自走できるよう、ノウハウや仕組みの社内移管を目指す。
△:限定的。
契約期間中の実務遂行が主目的であり、移管は前提としない場合が多い。

サービスの違いは分かっても、自社にどちらが合うのかを判断するのは難しいものです。ここでは「採用ニーズ」×「社内体制」×「課題・目標」の掛け合わせで、典型的なケースを挙げ、それぞれに最適な選択肢を解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、採用コンサルティングが最良の解決手段になるか、考えるヒントにしてください。

中長期で難易度の高い採用✖️担当者育成不足✖️採用仕組み化

状況: 中長期的な視点で、数名〜十数名の専門職や幹部候補を採用したい。社内に採用担当者はいるが、採用市場の変化に対応しきれず、候補者のミスマッチや選考途中の辞退が続いている。「なぜうまくいかないのか」という構造的な課題を解決し、将来に活かせるノウハウを社内に蓄積したいと考えているケース。

最適な選択肢: 採用コンサルティング
このケースでは、目先の採用人数を追うよりも、採用活動全体の設計図を見直すことが急務です。コンサルタントと共に課題を特定し、戦略を練り直すことで、持続可能な採用力の基盤を築くことができます。

短期で中規模採用✖️人員不足✖️負担増による採用の質低下

状況: 事業計画に基づき、3ヶ月で20名を採用するといった明確な目標がある。採用戦略や求める人物像も固まっているが、日々の業務に追われ、スカウトメールの送信や候補者との日程調整といった実務に手が回らない。とにかく採用オペレーションを前に進めるリソースが不足している状況。

最適な選択肢: 採用代行(RPO)
課題が「戦略」ではなく「実行リソース」にあるため、実務を委託できるRPOが最適です。採用担当者は候補者の見極めや面接といったコア業務に集中でき、採用全体のスピードと効率が向上し、採用の質も改善できます。

大規模採用✖️知見と実行力の不足✖️採用活動の改革

状況: 新規事業の立ち上げや事業拡大に伴い、1年で100名規模の採用が必要。既存のやり方では通用しないため、採用戦略の刷新と、それをスピーディに実行する体制の両方が求められる。社内リソースだけでは、この大規模な変革をリードすることも、実行することも難しいという状況。

最適な選択肢:採用コンサルティングとRPOのハイブリッド
戦略設計と仕組み化をコンサルタントが担い、大量の採用実務をRPOが担うという役割分担が有効です。戦略と実行が連携することで、大規模な採用改革を最短距離で成功に導くことができます。

採用コンサルティングの3つの重要性

変化の激しい現代において、従来の採用手法だけでは企業の成長を支える人材を確保し続けることが難しくなっています。採用コンサルティングは、こうした状況を打破し、企業の採用力を新たな次元へと引き上げる可能性を秘めています。

1. 採用環境の変化と限界突破の必要性

労働人口の減少や働き方の多様化、キャリア観の変化により、採用環境はますます複雑化しています。かつての成功手法が通用せず、多くの企業が「候補者が集まらない」「内定辞退」「採用ミスマッチ」といった課題に直面しています。これら外部環境の構造的な課題を乗り越えるには、対症療法的な施策ではなく、採用活動を根本から見直す視点が必要です。

2. 内製と外部支援の補完関係

採用コンサルティングは単なる「外注」ではありません。企業文化や事業を理解する「社内の視点」と市場動向・データ分析・他社事例といった「外部の視点」を組み合わせることで最適な戦略が生まれます。コンサルタントは、社内では気付きにくい課題を可視化し、議論を促すパートナーとして機能します。内製と外部支援が互いの強みを活かすことで、採用力は大きく向上します。

3. 中長期での仕組み化

採用コンサルティングが目指す最終的なゴールは、コンサルタントに依存することなく、プロジェクトを通じて得られた知見やノウハウ、データ活用の仕組みを企業内に定着させ、再現性ある成功を生み出す「自走化」の実現です。外部の専門性を一時的に活用し、それを自社の資産に変えることこそ、採用コンサルティングを活用する本質的な価値です。

採用コンサルティングのサービス

採用コンサルティングが提供するサービスは非常に多岐にわたり、企業の課題やフェーズに応じて柔軟にカスタマイズされます。ここでは、多くのコンサルティング会社が提供する代表的な10のサービス内容について、その目的と具体的な支援内容を解説します。

1. 採用戦略・計画策定

採用活動の羅針盤となる、最も重要なプロセスです。ここでは、経営戦略や事業計画と連動した「誰を・いつまでに・何人・どのように採用するのか」という全体設計図を描きます。市場の動向や競合の状況を分析し、実現可能かつ効果的な採用計画を策定することで、その後の活動すべてに一貫性を持たせます。

2. 採用ブランディング戦略設計

候補者から「この会社で働きたい」と思われるための魅力づくりと、その発信方法を設計します。具体的には、企業の価値観や働きがいを言語化したEVP(Employee Value Proposition:従業員価値提案)を定義し、それを採用サイトや求人票、SNSなどのコミュニケーションに落とし込んでいく戦略を立て、他社との差別化を図ります。

3. 採用体制構築

採用活動を円滑に進めるための、社内の役割分担や連携の仕組みを構築します。人事担当者、現場の面接官、役員など、関係者それぞれの役割と責任を明確にし、情報共有のルールや意思決定のフローを整備することで、組織全体で採用を推進する「スクラム採用」の基盤を整えます。

4. 採用要件定義

単なる職務経歴やスキルだけでなく、「自社で活躍し、定着する人材」の具体的な人物像を明確にするプロセスです。現場のキーパーソンへのヒアリングを通じて、求める能力、価値観、カルチャーフィットなどを言語化し、評価基準となる「ペルソナ」や「採用要件定義書」を作成。これにより、面接官による評価のブレを防ぎ、ミスマッチを低減させます。

5. 採用マーケティング戦略設計

定義した採用要件に合致する候補者群(タレントプール)に、どのようにして自社の存在を知らせ、興味を持ってもらうかを計画します。求人広告媒体、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用など、多様なチャネルの中から最適な組み合わせを選定し、ターゲットに響くメッセージ戦略を構築します。

6. 採用ツールデザイン

採用マーケティング戦略に基づき、候補者との各接点で使われるツールを最適化します。これには、候補者の応募意欲を高める求人票の作成、開封率や返信率を意識したスカウトメールの文面設計、企業の魅力を伝える会社説明資料や採用ピッチ資料のリニューアルなどが含まれます。

7. 選考プロセス最適化

候補者が応募してから内定に至るまでの一連の候補者体験(CX:Candidate Experience)を設計し直します。書類選考から最終面接までの各段階での評価項目を明確にすると同時に、選考期間の短縮やコミュニケーションの質向上を図り、優秀な候補者の途中離脱を防ぎます。

8. 選考データ管理・採用レポート設計

採用活動を感覚的なものから、データに基づいた科学的なものへと進化させます。応募数、書類通過率、内定承諾率といった重要業績評価指標(KPI)を定義し、それらを継続的に測定・分析する仕組みを構築します。ATS(Applicant Tracking System:採用管理システム)の導入支援や、月次の進捗を可視化するレポートフォーマットの設計なども行います。

9. 面接サポート

選考の要である面接の質を向上させるための支援です。面接官のスキルや評価基準のばらつきをなくすため、評価項目の設計や、候補者の能力を見抜くための構造化面接のトレーニングを実施します。これにより、客観的で公平な選考を実現します。

10. 採用活動伴走支援

戦略や計画を実行に移す段階で、よき相談相手として継続的にサポートします。週次や月次の定例ミーティングを通じて進捗を確認し、発生した課題に対してリアルタイムで助言を提供。採用担当者の壁打ち相手となりながら、計画が絵に描いた餅で終わらないよう、目標達成まで伴走します。

採用コンサルティングの費用相場

採用コンサルティングの導入を検討する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。しかし、費用は依頼内容によって大きく変動するため、「相場はいくら」と一概に言うことは困難です。ここでは、料金体系の種類と一般的な相場観、そして費用がどのように決まるのかという構造を解説します。

料金体系と相場

採用コンサルティングの料金体系は、主に以下の3種類に分けられます。自社の依頼したい内容に合わせて、どの体系が適しているかを判断する参考にしてください。

1. 月額報酬型(リテイナー契約)

特徴: 顧問契約のように、毎月定額の費用を支払うことで継続的な支援を受ける形式です。週1回の定例会や日々の相談対応など、長期的な伴走支援に適しています。

費用相場: 月額20万円〜50万円程度が一般的ですが、コンサルタントの稼働時間や役割の大きさによっては、月額100万円を超えるケースもあります。契約期間は半年〜1年単位となることが多いです。

2. プロジェクト型

特徴: 「採用戦略を策定する」「選考プロセスを設計する」といった特定の課題(プロジェクト)に対して、成果物と納期を定めて契約する形式です。単発の依頼に向いています。

費用相場: 依頼内容の難易度や規模に応じて30万円〜300万円以上と幅広く変動します。
以下は、一般的なプロジェクト費用の目安です。

サービス項目 費用相場の目安
採用戦略・計画の策定 30万円 〜 100万円
採用ブランディング戦略の設計 100万円 〜 300万円以上
求める人物像・採用要件の定義 30万円 〜 50万円
選考プロセス設計・評価基準策定 50万円 〜 100万円

3. 成果報酬型

特徴: 採用決定や応募者獲得といった成果が出た場合にのみ、費用が発生する形式です。人材紹介サービスでは一般的ですが、採用コンサルティングでも限定的に用いられることが多いです。

費用相場: 採用決定者の理論年収の30〜35%が一般的です。母集団形成の支援などで適用される場合があります。

【注意点】

ここに記載した費用は、あくまで一般的な目安です。企業の規模や採用の難易度によって金額は大きく変動するため、必ず複数の会社から見積もりを取得し、比較検討することをお勧めします。

費用を左右する4要素

コンサルティング費用を理解するために、費用を決定づける4つの主要な要素を把握しておきましょう。これらの要素を自社で整理しておくことで、依頼内容を事前に調整したり、コンサルティング会社との交渉もスムーズに進められます。

範囲:どこまで依頼するか

採用戦略の立案という上流工程のみを依頼するのか、面接官トレーニングやデータ分析といった実行支援まで含めるのかで費用は大きく変わります。また、新卒採用、中途採用、エンジニア採用など、対象領域の専門性が高くなるほど費用も高くなる傾向があります。

期間:いつまで支援を求めるか

3ヶ月間の短期プロジェクトか、1年以上にわたる長期的なパートナーシップかによって総額は変動します。一般的に、契約期間が長くなるほど月額単価は割安になる傾向がありますが、総投資額は大きくなります。

体制:どのようなチームが関与するか

コンサルティング会社の支援体制も費用を左右します。経験豊富なシニアコンサルタントが専任で担当するのか、ジュニアスタッフを含めたチームで対応するのか。また、週1回の定例会のみ関与か、週3日社内常駐するような形かなど、稼働の密度によって金額は変動します。

成果物:何をアウトプットとして求めるか

最終的にどのような成果物を納品してもらうかも費用に影響します。例えば、市場調査レポート、採用戦略企画書、面接マニュアル、研修プログラムの提供など、作成するドキュメントの量や質、独自性が高いほど、その分の工数が費用に反映されます。

採用コンサルティングを利用する5つのメリット

採用コンサルティングの導入は、単に外部の専門家を雇う以上の価値をもたらします。ここでは、企業が享受できる代表的な5つのメリットを解説します。

1. 採用戦略の高度化・最適化と施策実行の一貫性

最大のメリットは、自社の経営戦略と連動した客観的で質の高い採用戦略を構築できる点です。コンサルタントは、市場データや競合分析、豊富な支援実績に基づき、感覚論ではない「勝つための戦略」を設計します。さらに、その戦略が日々の採用活動に反映されるよう伴走し、「戦略は立派だが現場が動かない」といった事態を防ぎ、着実な成果につなげます。

2. 最新採用トレンドの反映と専門ノウハウ獲得

採用市場のトレンドや手法は日々変化しています。外部コンサルタントは最新情報を常にキャッチし、自社の状況に合わせて最適化して導入できます。さらにプロジェクトを進める過程で、コンサルタントの専門知識やノウハウが社内担当者に移管され、契約終了後も質の高い採用活動を継続できる「自走する組織」へと成長できます。

3. 候補者体験の改善と採用ブランドへの波及

優秀な人材ほど選考過程で企業を評価します。採用コンサルティングを通じて、応募から内定まで一貫した質の高い候補者体験(CX)を設計・提供できます。スムーズで丁寧な対応や納得感あるプロセスは、候補者の入社意欲を高めるだけでなく、「候補者を大切にする企業」としての評判を築き、中長期的な採用ブランド向上にもつながります。

4. 担当者の負担軽減と採用効率の向上

採用担当者は日々のオペレーションに追われ、本来注力すべき戦略的業務に時間を割けないことが少なくありません。コンサルタントが戦略設計・データ分析・課題特定を担うことで、担当者は面接や候補者との関係構築といったコア業務に集中できます。この役割分担によりチーム全体の生産性が向上し、採用活動の効率も飛躍的に高まります。

5. 客観的な評価と本質的な課題の発見

長く同じ組織にいると、既存のやり方や慣習が当たり前となり、課題に気づきにくくなることがあります。第三者であるコンサルタントが関わることで、「これまでは、こうだった」という固定観念を排し、客観的に採用プロセス全体を診断します。これにより、社内では見過ごされがちな本質的なボトルネックや課題が可視化され、的確な打ち手につながります。

採用コンサルティングを利用する3つのデメリット

多くのメリットがある一方で、採用コンサルティングには注意すべき点も存在します。導入後に後悔しないためにも、デメリットとリスクを正しく理解し、自社が許容できるかを事前に見極めましょう。

1. 立ち上がりに要する時間と費用負担のギャップ

採用コンサルティングは即効性のある魔法ではありません。プロジェクト初期は、コンサルタントが事業や組織を理解するためのヒアリングや現状分析に時間を要します。この期間は費用が発生する一方で、採用成果はまだ見えません。この「先行投資」を理解せず短期成果のみを期待すると、「費用ばかりで効果がない」と不満につながる可能性があります。

2. 実働リソース不足時の効果低減リスク

採用コンサルタントは、あくまで戦略策定や改善の伴走者です。コンサルタントが立案した戦略や施策を実行するのは、企業側の担当者や現場社員です。そのため、スカウト送信や日程調整といった実務を担う人手が社内に不足していると、戦略は形だけで終わってしまいます。実行リソースが足りない場合は、採用代行(RPO)の活用も検討すべきです。

3. 採用コンサルティングに向かない5つの状況

企業によっては、採用コンサルティングが最適解にならないケースがあります。導入効果を得にくい状況を理解しておくことは、ムダな投資を防ぐうえで重要です。以下の5つは典型例であり、自社が当てはまらないかを確認してみてください。

1. 短期・大量の採用充足が最優先課題である

「とにかく人手を揃えたい」という状況では、コンサルティングのように戦略や仕組みづくりを行う余裕はありません。工場の増員や店舗スタッフの一斉採用など、短期間で数を確保する必要がある場合は、採用代行(RPO)など実行力のあるサービスが効果的です。コンサルティングは長期的改善に強みがありますが、スピード重視の場面には向きません。

2. 社内の意思決定に時間がかかりすぎる

コンサルタントの提案を活かすには、迅速に実行へ移す組織力が欠かせません。しかし、承認プロセスが複雑で一つの決定に数週間かかるような組織では、改善スピードが落ち、競合に後れを取るリスクがあります。改善を定着させるには、経営層や現場の意思決定フローを事前に整理する必要があります。

3. “施策の代行”のみを期待している

採用コンサルティングは「丸投げの外注」ではなく、戦略を共に考え、改善を実行する伴走型支援です。戦略策定や改善活動に主体的に関わらず「とにかく代わりにやってほしい」という場合、コンサルティングの価値を活かせません。そうしたケースでは、業務実務を肩代わりしてくれる採用代行(RPO)や派遣スタッフ活用が適しています。

4. データに基づいた改善サイクルを回す文化がない

採用活動を改善するには、応募数や承諾率などのKPIを測定・議論し、PDCAサイクルを回す文化が必要です。もし「報告会は形式だけ」「データを集めても分析しない」といった状態では、コンサルティングの提案が机上の空論で終わってしまいます。データ活用に前向きな組織風土が整っていない場合は、まず社内の意識改革から始めるべきです。

5. ノウハウの社内移管より、恒常的な外注を望んでいる

採用コンサルティングのゴールは、自社が将来的に自走できる状態をつくることにあります。ところが「永続的に外部に任せたい」と考える企業では、ノウハウが蓄積せず、改善効果も定着しません。そうした場合は、恒常的な外部委託サービス(RPOや人材紹介会社)を前提にした戦略の方が現実的です。

採用コンサルティング導入で解決できる課題

採用コンサルティングは、多くの企業が直面する根深い採用課題に対して、構造的な解決策を提供します。ここでは、コンサルティングを通じて具体的にどのような課題を解決できるのか、4つの代表的なケースを見ていきましょう。

求人媒体依存による母集団の偏り

「応募は来るが求める人材が少ない」「同じ媒体に依存して新しい層に届かない」といった課題は多くの企業に共通です。コンサルタントは市場分析を通じてターゲット人材の所在を特定し、ダイレクトリクルーティング・リファラル・SNS活用など多角的な手法を設計。これにより応募数だけでなく、事業に貢献する人材の質も高められます。

選考プロセスのボトルネック

「選考が長すぎて候補者を逃す」「面接官ごとに評価がばらつく」――これはプロセスに停滞点があるサインです。コンサルタントはデータ分析で課題フェーズを特定し、フロー見直し・基準統一・面接官研修を実施。スムーズで公平な選考体験を実現し、候補者離脱を防ぎ採用率を高めます。

自社の魅力が伝わらない・差別化できない

魅力が伝わらなければ採用競争に勝てません。「求人票が他社と似ている」「自社の強みを言語化できない」といった課題に対し、コンサルタントはEVP(従業員価値提案)を定義し、求人票・スカウト・採用サイトなどに一貫して反映。候補者に響く説得力あるメッセージで、競合との差別化を実現します。

採用の属人化とデータ活用の課題

属人的な採用では改善が進みません。「どのチャネルが効果的かわからない」「経営層に成果を説明できない」といった課題には、データ活用の仕組み化が不可欠です。コンサルタントは追うべきKPIを定め、採用管理システム(ATS)で自動収集・可視化するレポート体制を構築。データに基づく意思決定を可能にし、採用を科学的に進化させます。

採用コンサルティングの選び方ガイド

自社の課題解決に繋がりそうだと感じたら、次はいよいよコンサルティング会社選びのフェーズです。しかし、数多くの会社の中から最適なパートナーを見つけるのは簡単ではありません。ここでは、失敗しないための選び方のステップと、具体的なチェックポイントを解説します。

1. 自社に合うかを見極めるチェックリスト

まずは、コンサルティング会社に相談する前に、自社の状況を客観的に把握しましょう。以下の質問にYes/Noで答えてみてください。

  • 採用活動の「根本的な問題」がどこにあるか分からず、困っているか?
  • 採用の目標達成だけでなく、将来のために社内にノウハウを蓄積したいか?
  • 採用戦略の立案や改善活動に、人事担当者が主体的に関わる時間と意欲はあるか?
  • 短期的な採用人数よりも、中長期的な視点での採用力強化を重視しているか?
  • データや客観的な事実に基づいて、既存のやり方を見直すことに抵抗はないか?
  • コンサルタントの提案を実行するために、社内関係者を巻き込み、動かせるか?
  • 週次や月次の定例会を通じて、進捗を報告し、議論する文化があるか?
  • 成果が出るまでの「先行投資」期間があることを理解し、許容できるか?

【診断】

もし「Yes」が6つ以上あるなら、貴社は採用コンサルティングを効果的に活用できる可能性が非常に高いでしょう。逆にNoが多い場合は、コンサルティングよりも採用代行(RPO)や、まずは内製での部分的な改善から始める方が適しているかもしれません。

2. 評価の4つの観点

複数のコンサルティング会社を比較検討する際には、必ず以下の4つの観点で評価し、質問を投げかけましょう。

1. 支援範囲の柔軟性

自社の課題に合わせて、サービス内容を柔軟にカスタマイズしてくれるか。パッケージ化された画一的な提案だけではないか。

2. 担当者の体制と専門性

実際に自社を担当してくれるコンサルタントは誰で、どのような経験や専門性を持っているのか。特に、自社の業界や募集したい職種での実績は豊富か。

3. 改善サイクルの具体性

どのようにしてPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回していくのか。定例会の頻度、レポーティングの内容、KPIの置き方などは具体的か。

4. ノウハウの移管方針

契約終了後、自社が自走できるようになるための具体的な仕組み(マニュアル作成、勉強会開催など)を提案してくれるか。

3. 初回相談の5つの質問

初回相談の場で、最低限これだけは確認しておきたい5つの質問リストです。この質問への回答の明瞭さで、その会社の信頼性や相性もある程度判断できます。

  1. 範囲:御社の支援範囲で「得意なこと」と「やらないこと」の境界線を教えてください。
  2. 体制:ご依頼した場合、どのようなスキルを持つ方が、どの程度関わるイメージですか?
  3. 改善:プロジェクトの進捗や成果、評価を、どのような指標で判断しますか?
  4. 移管:弊社にはどのようなノウハウや成果物(ドキュメント等)が残りますか?
  5. 実績:弊社の状況(業界、企業規模、課題)に近い支援実績があれば、教えてください。

4. 相談前の事前準備2点

コンサルティング会社への相談をより有意義なものにするために、事前に以下の2点だけは整理しておきましょう。完璧である必要はありません。現時点での状況を伝えることが重要です。

1. 採用目標の粒度を上げる

NG例:「できるだけ優秀なエンジニアをたくさん採用したい」
OK例:「次の半期で、シニアクラスのバックエンドエンジニア(言語:Go)を2名、ミドルクラスのフロントエンドエンジニア(フレームワーク:React)を3名採用したい」

2. 現行プロセスの簡単な棚卸し

  • 現在利用している採用チャネル(求人媒体名、紹介会社名など)
  • 応募から内定までの選考フロー(例:書類選考→人事面接→現場管理者面接→最終面接)
  • 現状の課題認識(例:書類選考の通過率が低い、最終面接で辞退されることが多い)

おすすめの採用コンサルティング会社10選

1. カケハシ スカイソリューションズ

カケハシ スカイソリューションズ

クリエイティブな視点と50種類を超える多様なサービス・プロダクトを用いて、一社一社に最適な解決策をご提案します。中途採用支援では、これまでのべ3,000社の中途採用支援を通して培った採用ノウハウを駆使し、即戦⼒⼈材採⽤のためのコンセプト⽴案、応募数を最大化する求人サイト、プランをご提案します。新卒採用でも、採⽤成功のための戦略⽴案からインターンシップ・説明会の企画、採用ツール制作、内定者フォローまでワンストップで支援しています。

参考:https://www.kakehashi-skysol.co.jp/

2. Legaseed

Legaseed

650社以上を成功させた人材採用の仕組みの提供から理念やビジョンの言語化、人事制度設計まで一気通貫してご支援します。いくら優れたビジネスモデルがあっても、いくら具体的な経営戦略を立てても、それを実現するのは、「人」。だからこそ、少子高齢化が加速する現在、企業の生存戦略において最優先事項となってくるのが、ハイパフォーマー人材の採用です。私たちは、そんな人材採用に対する取り組みを「コンサルティング」×「テクノロジー」の力で支援します。

参考:https://www.legaseed.co.jp/

3. トライアンフ

トライアンフ

1社1社の抱える採用への課題や目標は様々です。トライアンフでは、パッケージ化された画一的なソリューションではなく、企業の状況をふまえて解決すべき課題に対して実行計画を組み立てます。「オーダーメイドの採用戦略を」本質の課題を見極め、最適な採用計画をご提案します。私たちが大切にしているコンサルティングのやり方は、客観的な視点を持ちつつ、採用マネージャーやリーダーの立場に立って解決策の実行支援をおこなうことです。「数合わせではなく、質合わせの採用を」それがトライアンフの採用戦略ソリューションです。

参考:https://www.triumph98.com/solution/recruitment/recruitmentconsulting/

4. キャリアマート

キャリアマート

キャリアマートの『採用コンサルティング』では、年間クライアント数・約2200社以上のノウハウ・情報などをもとに、業界・業種・職種別に、ご相談頂いた企業様の特徴(強み・弱み)、給与、キャリアプランなどの項目を分析し、ターゲットに訴求されるプランニングを強みに持っております。市場の動きとして求人媒体を活用するだけでは採用成功できなくなっています。どうすれば採用成功できるのか…。貴社に寄り添い二人三脚で採用成功を目指します。

参考:https://www.careermart.co.jp/consult/

5. ビズリーチ・コンサルティング

ビズリーチ・コンサルティング

ビズリーチ・コンサルティングは、組織の構造やプロセスを最適化し、従業員のパフォーマンスとエンゲージメントを最大化することを目指します。採用戦略の抜本的な見直しから、人事制度の改革やリーダーシップの強化、社員のスキルアップ支援まで、多角的なアプローチで組織の持続的成長をサポートします。変革を推進することで、企業が抱える人事課題を根本から解決します。

参考:https://consulting.bizreach.co.jp/

6. 船井総合研究所

船井総合研究所

船井総研の中途採用コンサルティングは採用の目的は事業成長を促進する為に、自社の事業を伸ばす為の組織・人材のスキルやカルチャーの組織戦略を社内調査などを踏まえて整理をし、実際に事業成長に寄与する人材を採用する為の時流に沿った採用戦略/戦術を立案・実行します。また、新卒採用は年々高くなりつつある内定辞退、他社との差別化戦略、ポジショニング戦略など新卒採用戦略のアップデートによる本質的な採用戦略の構築コンサルティングもお任せください。

参考:https://hrd.funaisoken.co.jp/consulting_service/

7. クレスコ

クレスコ

クレスコでは貴社独自の採用ノウハウの確立に向けて、経験豊かなコンサルタントによる 中途・新卒採用コンサルティング(年間、半年、3ヶ月・・・等々)をご提供させていただきます。クレスコの場合、ただ単にコンサルティングをご提供させていただくだけではなく、最終的に貴社内にノウハウが蓄積されることを目標に掲げ、コンサルティングを実施してまいります。

参考:https://cresco-inc.com/

8. ジーズコンサルティング

ジーズコンサルティング

ジーズコンサルティングは、企業の新卒採用・中途採用を成功に導くために、常に新しく最適な策を発想し、あらゆる手法を駆使しながらベストアンサーを目指します。企業規模や採用職種ごとに、効果を出せる方法やニーズも千差万別。だからこそジーズコンサルティングでは採用成功のために必要なことは“全て”ご提案できる体制があります。また「採用施策」を提案するだけでなく、人事の一員として、御社の採用活動に一緒に取り組みます。

参考:https://gsc-japan.com/

9. レイン

レイン

採用が難しいとされるIT・DX関連求人をお任せいただいています。エンジニア採用の経験豊富なメンバーが複数在籍しており、IT・DX人材に関する高い知識と豊富な経験をもとに貴社の採用をご支援します。また、お客様の採用課題、ニーズに合わせて支援チームを編成。ご支援途中に新しい課題が生まれた場合には、その課題に合わせた専門性の高いメンバーをアサインし、常に最適なサポートを行います。お客様の採用パートナーとして「採用成功」を一緒に目指し、お客様の人事課題に対して半歩先のソリューションを提案し、それを実現するところまで伴走することを大切にしています。

参考:https://lein.co.jp/

10. ワミィ

ワミィ

『Wamii Coach』では、元エンジニア・IT業界出身者を含むお客様専用チームがオーダーメイドの採用戦略をご提案。採用立ち上げから実行、内製化までを一気通貫でフルサポートします。外部委託として依頼されたことを行うのではなく、御社の採用担当者として、採用成功に向けて伴走します。採用代行(RPO)もお任せください。市場とトレンドを理解し、エンジニア採用に特化したアプローチをスピーディーに実現。提案施策力を兼ね備えた専任担当が安定した採用活動をご提供します。

参考:https://coach.wamii.co.jp/home

まとめ

本記事では、採用コンサルティングの基本的な定義から、採用代行(RPO)との違い、具体的なサービス内容、費用、メリット・デメリット、そして失敗しない選び方までを網羅的に解説しました。

採用活動が複雑化する現代において、外部の専門家の力を借りることは、自社の採用力を飛躍させる有効な選択肢です。しかし、最も重要なのは「自社の課題や状況に合った最適なパートナーシップの形を見つけること」です。
コンサルティングは、採用の「なぜ」という根本原因に立ち返り、戦略を練り直すための強力な武器となります。一方で、実行リソースの不足が課題であれば、RPOが最適な解決策となるでしょう。

この記事が、最良の選択をするための一助となれば幸いです。まずは記事中の「 8問チェック」や「状況別ケーススタディ」を参考に自社の立ち位置を客観的に見つめ直し、次の一歩を踏み出してみてください。

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採用コンサルティングの利用に関するFAQ

Q. 採用コンサルティングの必要性は理解できましたが、社内の上司や経営層をどう説得すればよいでしょうか?

説得の鍵は「客観的なデータ」と「費用対効果の提示」です。まずは現状の採用活動における課題を数値で示しましょう。たとえば、「応募単価の上昇」「選考辞退率の悪化」「採用工数の増大」などです。その上で、コンサルティング導入によってこれらの課題がどう改善され、結果として事業にどのようなインパクト(例:優秀人材の早期獲得による売上貢献、採用コストの削減)をもたらすのかを論理的に説明することが重要です。

Q. 試しに短期間だけコンサルティングを依頼することは可能ですか?

可能です。多くのコンサルティング会社では、本格的な長期契約の前に「採用診断」や「現状分析と課題特定」といった短期間(1〜3ヶ月程度)のプロジェクトを提供しています。まずはこうした小規模なサービスを利用して、コンサルタントの質や自社との相性を見極めるのは非常に有効な手段です。

Q. ITエンジニアや医療系など、特定の専門職採用に特化したコンサルティング会社はありますか?

はい、存在します。総合的な採用支援を行う会社に加え、特定の業界や職種に深い知見とネットワークを持つ特化型のコンサルティング会社もあります。特に専門性が高い職種の採用に課題がある場合は、そうした特化型企業を中心に探すのが効率的です。各社のウェブサイトで「支援実績」や「得意領域」を確認しましょう。

Q. コンサルタントにノウハウを移管してもらうために、企業側として気をつけるべきことは何ですか?

「受け身」にならず「主体的に獲得する」姿勢が最も重要です。具体的には、①定例会に必ず同席し、意思決定の背景や思考プロセスを学ぶ、②成果物(ドキュメント)をただ受け取るだけでなく、自社で再現できるよう質問する、③プロジェクト終了後の自走計画を契約段階で握っておく、といった能動的な関与が不可欠です。

Q. 良いコンサルタントと、そうでないコンサルタントを見分けるポイントはありますか?

見分けるポイントは3つあります。1つ目は「質問力」。こちらの状況を深く理解しようと、的確な質問を投げかけてくれるか。2つ目は「現実的な提案」。成功事例だけでなく、リスクや実行上の障壁についても正直に話してくれるか。3つ目は「教育的な姿勢」。単に答えを教えるだけでなく、こちらが自走できるように知識やスキルを伝えようとしてくれるか。初回相談の場で、これらの点を意識して対話してみてください。

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